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早速引越し!
一発目はおもいっきりベタに宮部みゆき;模倣犯です!!
☆内容☆
墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。やがてバッグの持主は、三ヵ月前に失踪した古川鞠子と判明するが、「犯人」は「右腕は鞠子のものじゃない」という電話をテレビ局にかけたうえ、鞠子の祖父・有馬義男にも接触をはかった。ほどなく鞠子は白骨死体となって見つかった―。未曾有の連続誘拐殺人事件を重層的に描いた現代ミステリの金字塔、いよいよ開幕。
☆感想☆
「火車」「理由」と並ぶ宮部ミステリの金字塔ですが、この3作品なら私は「模倣犯」が一番すきですね。やっぱ面白い。特に「理由」とは類似点が多々あるのですが、いざ読み初めてみると世界観がごっちゃにならないのが不思議なくらいです。
映画にもなったので「とりあえず知ってる」って人は多いと思いますが、映画の大部分はこの本でいう2部ですので1部と3部を隅々まで読んで初めて納得できる作品だと私は思っています。
映画はどうしてもこの「模倣犯」という宮部代表作品の多角的な視覚を限定してしまうんですよ。
色々な方面からの事件を追っているのですが、(被害者、加害者、その家族、親戚、近所の人、他。)映画ではどうしても全員分を表現は出来ない。そのため重要人物の数人にスポットがあたるわけですが、小説は実に細部まで忠実に描かれていますので、むしろ他の意見を邪険にしてしまってはこの作品の持ち味が薄れてしまうのだ、と私は考えます。
とくに被害者の人権問題にかかわる心理描写は巧みで、ノンフィクションなのか。と思うほど立体的で写実的です
また被害者側、加害者側、とほぼ同じくらいの章を確立させ、両方の面から描いていることが何よりすごい。心理移入は割りと簡単で、いざハマってしまえばすらすら読んでいけます。
社会のゆがみ、ひずみ、憎しみ、悲しみの連鎖を出したこの作品はミステリとうたわれていながらミステリではありません!(断言)
むしろ、社会派のサスペンスだと思って読むと中身が見えます。
ちなみに画像は文庫版ですが、私はハード版派です。
ただし ハ ー ド は 重 す ぎ て 持って読めません。(冗談抜きに。)
文庫は全5巻だったと思います。